アーユルヴェーダで使うハーバルオイルと、その効果

アーユルヴェーダといえばオイル、と言っても良いくらいに密な関係です。サロンのお客さまからもよくご質問をいただくので、ご紹介させていただきますね!


●まず、オイル=油性=脂質として考えてみましょう

まずオイルの種類って、それはもう、たくさんの種類があります。植物性、動物性、そもそも人間だって油性(脂質)が含まれていて身体に大きく影響しています。含まれる脂質はメタボの素!と悪者扱いされがちですが、実は生きていく上で欠かせない三大栄養素のひとつ。大事なエネルギー源で、さらに細胞膜や核酸(DNAやRNA)、神経組織などの構成成分でもあり、脂溶性ビタミンの吸収も助けてくれます。つまり、「身体に必要!だけどバランスが大事」ということです。


●アーユルヴェーダのトリートメントで使うオイル

オイルそのものに薬効があるかないかが、アーユルヴェーダと他式の大きな違い。アーユルヴェーダではハーバルオイルを使いますが、基となるオイル+薬効効果のある自然素材(ハーブや果実、ミルクなど…)を1か月ほど煮込んだもので、その種類は何百種類もあります。ざっと、こんなイメージです↓

これを分解して、ご紹介していきます!

①まずベースのオイルは、ごま油がメインですが、その他にもココナッツ油、からし油、ひまし油、ギー(無塩バターを煮詰めて余分なタンパク質を抜いたもの)などがあります。いずれのベースオイルも「抗酸化=アンチエイジング」作用があり、ビタミンEも多く含まれますが、特にゴマ油は不飽和脂肪酸「オメガ6脂肪酸」で、リノール酸やアラキドン酸が多いことが特徴です。これは血中の悪玉コレステロールを下げてくれますが、必要量を体内で合成できないので、外から取り込む必要があります。

②次にハーブ等ですが、そもそも何千と種類があって、組み合わせも無限大!漢方をイメージしていただくと解りやすいと思います(※ハーブは欧米では薬として認可されていますが、日本では未認可です)。ハーブが持つ個々の薬効が、様々な症状を緩和させてくれます。個人的には、腰痛、肩こり、関節痛、冷え性、便秘、疲労、高血圧、睡眠障害等のVATA(動・乾・冷・軽)の症状や、むくみ等のKAPHA(重・遅・冷)の症状にかなり有効だと思います。加えて、ハーブは味や香りでも楽しめますよね。

①と②の組み合わせが、アーユルヴェーダのハーバルオイルの効果。私の場合は、まず先天的な体質(VATA・PITTA・KAPHAの比率)を確認する→体質と、生活環境や季節、年齢等によるアンバランスを確認する→そのアンバランスと症状の関係を考える→オイル決定!というようなフローチャート的な流れで、オイルを選んでいます。


●オイルトリートメントは、なぜ良いのでしょう?

①ハーバルオイルの力がとても大きいです。特にメインで使われる「ごま油」には、ご存じセサミンという抗酸化作用のある物質が入っています。セサミンは200℃でキュアリングされて、セサモリンという極微細な物質に変わることで、浸透率が上がります。

②肌から擦りこむメリットがあります。温められたハーバルオイルは、皮下から毛細血管に入り、血液を経て筋組織、骨組織、そして最深の骨髄に5分以内で届くと言われています。アーユルヴェーダでは口から薬や栄養を入れる内治的治療と、オイルトリートメントによって皮膚から薬を入れる外治的治療を行います(内治的治療は日本では行いません)。経口薬は、胃→小腸→毛細血管やリンパ管→肝臓→血液→患部へ...という消化の流れに乗りますが、必ず胃で胃酸と出会い、揉めます。その点、皮膚からダイレクトに毛細血管に乗せるのは、手っ取り早い!効率的な方法だと思います。

③上記に加えて、より浸透&デトックスしやすいように、身体に前処理と後処理をします。叩いたり、揉みほぐしたり、関節を曲げたり、ツボを押したり...血液やリンパの循環を良くしながら、プラーナ(気)の流れも整えます。体感的に気持ちがよく、スッキリした!という気分になります。

④オイルは油性&重性、つまりVATAの乾性と軽性と真逆なので、VATAの乱れが引き起こす症状(腰痛、肩こり、関節痛、冷え性、便秘、疲労、高血圧、睡眠障害、乾燥肌等…)を治めてくれます。

⑤手で触れることで幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されます。そしてオキシトシン分泌により、ストレス軽減ホルモン「セロトニン」も分泌されます。セロトニンは体内リズムを整えますが、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料でもあるので、施術後はゆっくりと眠れます…施術中はすでにほとんどの方が、お眠りになります(笑)


アーユルヴェーダでは、オイルトリートメントは毎日した方が良いといわれています。歳をとるにつれてVATAエネルギー(乾・冷・軽)が高まりやすくなり、油分はどんどん少なくなるので、補う意味でも毎日のセルフトリートメントはオススメです。そして施術後は白湯を摂りながら、ゆっくりお過ごしください。

※ただ効果的な効果を望めな場合…例えば、進行中の病気がある、生理初期、食後直ぐ、天候が普通では無い時(台風や強風、大雨など…)は、避けた方が良いと言われていますので、ご配慮くださいね!


正しいアーユルヴェーダと身体の知識の中で!正しいハーバルオイルを使ったトリートメントを続けながら、健やかで美しくお過ごしくださいね!

KIRANAH Ayurveda

キラナ=太陽や月から降り注ぐ、一筋の光。全ての人に、穏やかで優しく身体と心に光を照らす、アーユルヴェーダ本格プライベートサロン。

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